すくなちあき
「ひとつ」と体感すれば分離できない。
奥駆(おくがけ)・・熊野から吉野までの
世界遺産「祈りの道」を登拝する修行中、
大雨が降りやまなかったときが
あるそうです。
そのときに、
「雨(水)と自分は "ひとつ" だと
わかったんです」
田中利典先生の講演会での
お話のひとつ。

文字通りの体験、
体でなければ実感できない、真理。
ひとつのもの、
同じものと、
「本当に」わかれば・・
「ひとつ」のものを
ふたつに裂くこと(二元論)は
できないと
わかるのだと思います。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は、
単に熊野がすばらしいから
世界遺産になったわけでも、
高野がすばらしいから
なったわけでも、
そして吉野がすばらしいから
なったわけでもないと
私は思っています。
つまり、
あの紀伊半島全体の大自然の中に、
それぞれ違う宗教、
違う聖地性をもったものが
混在していて、
それが道でつながって、
千年単位で
日本人の心を癒してきた、
信仰心を培ってきたことが
素晴らしいのです。
中略
黒か白かで決めつけると
結局は争いの種を生むだけであり、
多様なものを認めないと、
もう共存共栄してはいけない
のではないかという、
世界の大きな流れが
生じたと思うんです。
150頁
【熊野 神と仏】田中利典

「我々は "メッセージ" の中に
包まれて生きている。
それを体で感じるのが
修験道」
「プロとアマを分けない。
聖なるものと俗を
分けない。」
【田中利典先生講演会】

神と仏を分けない。
そのお姿を現したのが
権現様。
奈良吉野にある
金峯山寺(きんぷせんじ)さんでは
一月半の間、拝観できます。
